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AMF商品改善ワークショップ

2013.10.14

101415日にBCS、続いて101618日にMilamdecに対して農業マイクロファイナンス(AMF)の1回目のパイロットテストが終了したことを受けて、商品改善のワークショップを実施しました。1回目のパイロットテスト中に各MFIスタッフが気づいた支払いプロセスや加入条件、利率等の問題の洗い出しを行い、その場でマニュアルの変更を行いました。

1つのMFIを例に挙げると、1回目のパイロットテストでは、予定していた顧客数へのリリースを達成し、1日以内の延滞債権率(PAR1)も7%と比較的良い結果が出ました。しかし今後顧客数を拡大する上で、ローンを支払う際に必要になるファームプランを確認できる、農業知識と技術を持った職員が不足していることが分かりました。今回の農業マイクロファイナンス商品では、クレジット評価だけでなくファームプランに沿って支払いのタイミングと金額を決める必要があり、仮に農業技術者が不足している状態で無理にプロセス進めると、返済不履行のリスクがぐっと大きくなってしまいます。そこで新たにファームプランを確認できる職員の採用を助言し、12月と1月に一人ずつ新たな職員の雇用が決定しました。

また、AMF商品のリリースに限らず本プロジェクト全体に通じることですが、現場でのモニタリングはプロジェクト成功のための非常に重要な要素となっています。現在治安の問題で日本人スタッフとマニラベースのフィリピン人コンサルタントのミンダナオへの渡航ができなくなっており、12月現在、AMFを含めた現場でのモニタリングはカウンターパートのMMCが単独で実施しています。より的確なモニタリングが実施されるよう、マニラベースのプロジェクトメンバーがMMCに対しモニタリングの指導を同時に実施しています。

 

リスクマネジマント&ガバナンストレーニング

2013.10.07

治安の問題によるミンダナオ渡航制限下でのプロジェクト再開後の第一弾として、107日〜11日にBCSCBCを対象に、また、1168日にMilamdecを対象にセブにてリスクマネジメント&ガバナンストレーニングを行いました。本トレーニングは社会的パフォーマンス向上の一環として、MFIの理事を含めたトップマネジメント層を対象に効果的なガバナンスとリスクマネジメントについて理解し、各MFIでの業務に活かしてもらうことを目的としています。トレーニング手法は再びアダルトラーニングを用い、参加者主体型となっています。Structured Learning Exercises (SLE)を使用し、一方的な講義をただ聴講するのではなく、ゲームやロールプレイ等を通じてより深い理解を得られるような仕組みになっています。

例えば、今回実施したSLEの一つ、”Trust Walk”を紹介します。まず参加者を1グループ8名程度のグループに分け、グループの中でリーダーを1人決めてもらいます。リーダー以外は全員目隠しをし、縦一列に並び、前の人の肩や腰を掴み縦隊を組みます。会場のスペースに障害物を置き、目隠しをした縦隊はリーダーの口頭での指示のみを聞きながらスタートからゴールまで障害物を触らないように指定されたルートを通ってスタート地点からゴールまで移動します。いかに障害物に接触することなく、また最短の時間でゴールできるかをグループ毎に競います。(写真ご参考)

Trust Walk

このゲームの後、ファシリテーターはまず「ゲームをやっていてどう感じましたか?」という質問をします。参加者からは「目隠しをしていて見えなかったのでリーダーの指示を聞き取るために集中しなければいかなかった」「リーダーの指示が2回程誤っていたので全員が違う方向にいってしまった」「リーダーの指示が遅かったので障害物に当たってしまった」「自分はリーダーの指示をきちんと聞き取ったが、縦隊の前の人(先頭)が指示に従わなかったので違う方向にいってしまった」といった様々な回答が出てきます。次にファシリテーターは、「あなたたちのMFIで同様のことが起っていませんか」と話を繋げます。一例を挙げると、リーダー役はCEO、縦隊はスタッフ、縦隊の先頭はオペレーションマネージャーと考えてみると、ゲームで起ったことが実際のオペレーションの中でも同様に発生していることが確認されます。その認識の後、ファシリテーターは「効果的なガバナンスとは何か」と言ったインプットを行うことで、参加者はより実感としてテーマを理解することができるという仕組みになっています。

本プロジェクトのワークショップやトレーニングでは毎回参加者からのフィードバックを得るために一人ひとりにアンケートを実施していますが、BCSとCBCを対象とした本トレーニングの4日目にプロジェクト開始以来初めて、参加者全員から五段階評価で最高評価をいただきました。

ロールプレイ

ミンダナオにおける零細農民の金融アクセス改善プロジェクト第3回活動報告会 質疑応答編

2013.09.24

前回に引き続き、ミンダナオにおける零細農民の金融アクセス改善プロジェクト第3回活動報告会のご報告をさせていただきます。今回は報告会参加者の皆さんからの質問とそれらに対する辻一人様、松浦、Guballa からの回答をご紹介いたします。

 

Q1: なぜ融資の4割を借入開始後から毎月返済し、残りの6割を収穫期に返済するという方法を導入しているのか。

A1: 第一に、借りる側の農家にとって、とても返済の行いやすい仕組みである。なぜならば、家計の収入を年間を通して安定化することが困難な零細農家にとって、この手法は最も収入のある収穫期に対部分の融資の返済を行うことを可能にしているからである。一方で、貸す側であるマイクロファイナンス機関(MFI)にとっても、借り手である農家にとってより返済のしやすい方法を提供することで、返済不履行を回避するリスクマネージメントを行うことが可能となっている。

 

Q2: 零細農民へ農業マイクロファイナンスとして融資を行う際、ローンそのものに対する保険と農作物保険を義務づけているということだが、それらの違いは。

A2: ローンに対する保険は、借り手である零細農家が何らかの理由によりローンを返済できなくなった場合に対する保険である。農作物保険は、農家が耕作している作物そのものを保証するものであり、害虫被害や干ばつなど、不作により収入が想定以下だった場合に備える保険である。

Q3: バングラデシュのグラミン銀行が行っているような、融資資格にジェンダーの必要用件は含まれているのか。

A3: 本プロジェクトにとって最も需要な要素の一つは、借り手が零細農家であるか否かという点であるため、特定の性別に特化するようなアプローチはとっていない。同時に、フィリピンでは一般的に社会における性差別は少なく、農村家庭内においても母親が一家の家計を管理することが通常である。

 

Q4: 農業マイクロファイナンスの商品デザインを行う際、誰がそれを行っているのか。

A4: 各MFIのオペレーションマネージャーや農業専門家が中心となり、各地域において将来の借り手とある農民たちへのヒアリング等のスタディを通し、その地域の顧客にあった商品デザインを行う。機関の最高管理責任者が参加することもある。ただ、借り手である現地農民が実際に商品デザインに参加すること今回はしていない。

 

Q5: (プラネットファイナンスの実施済みプロジェクトにて)フィリピンでの農業マイクロファイナンスで低い延滞債権率 (Portfolio of At Risk, PAR) を達成しているが、その要因とは。

A5: 世界基準においてPAR 5%以下が非常に良い状況とされている中、PAR 2%を達成できた理由の一つに、借り手である農民の特性を非常に考慮した商品開発がなされていることが挙げられる。前質問でもあったように、将来の借り手へのヒアリング等の事前のスタディ、リスク分析を通した商品デザイン、融資後の借り手との頻繁なコミュニケーションなど、借り手の現状を把握しそれに対応した商品、サービスを提供することが低い延滞債権率の要因となっている。

 

Q6: グループに対する貸し付けは行われているのか。

A6: フィリピンでは、 グループに対して貸し付けを行うことはとても稀である。世界的に見ても、グループに対する貸し付けは、集団監視の効力がある一方で、グループメンバーにとって余分な負荷となることがより大きなマイナス面となっている現実から、徐々に主流から外れてきている。しかし、本プロジェクトが行う農業マイクロファイナンスでは、個人への貸し付けを行う一方で、返済はセンターミーティングと呼ばれる、コミュニティ内の借り手が毎週集まる集会の場で、他の参加者の前にて行われている。このアプローチは、各貸し手が融資を受け返済することをコミュニティ内で公にすることを通し、グループへの貸し付けに類似した集団監視の効力を発揮している。

 

Q7: 本プロジェクトにおける「金融アクセス」の定義とは。またプロジェクトの成果を計る指標は。

A7: 金融へのアクセスがあるということは、人々が貯蓄や融資などの金融サービスへアクセスがある、そしてそのサービスはフォーマルなセクターで行われている、ということを意味する。金融アクセスの改善というプロジェクト成果の指標として、Progress out of Poverty Index (PPI) という顧客が貧困から抜け出る過程をトラックすることができる、グラミン・ファンデーションによって開発された指標を用いている。本プロジェクトでは、PPIが5%改善することを指標としている。

また、一般的には登録された銀行や協同組合にて銀行口座を持っているかどうかも、金融アクセスを計る適切な指標となる(現在、世界の成人人口のおよそ55%が、銀行口座を所有している。)。そして、その銀行口座をアクティブに使用している人々の割合はどれほどか、に注目することも真の金融アクセスを計るためには重要である。

ミンダナオにおける零細農民の金融アクセス改善プロジェクト第3回活動報告会

2013.09.24

2013年7月6日(土)JICA地球ひろばにて、本プロジェクトの第3回活動報告会を実施しました。土曜の午前中にも関わらず多くの方にご出席いただき、大変ありがとうございました。この場を借りて厚く御礼申し上げます。

 

プラネットファイナンスジャパン事務局長である田中和夫の挨拶から始まった本報告会では、まずプロジェクトの進捗について、プロジェクトマネージャーの松浦わか子から報告させていただきました。農業マイクロファイナンス分野では現在1回目のパイロットテストの実施中で、終了次第9〜10月に商品の改定を行った後、引き続き2回目のパイロットテストを実施する予定です。金融リテラシー分野ではモジュールのパイロットテストが終了し、8〜9月にMFI職員に向けたトレーニングを行います。また、社会的パフォーマンス経営は初年度の5月に実施したワークショップのフォローアップを様々なワークショップ・トレーニングを組み込みながら引き続き行っています。2011年9月に開始された本プロジェクトも、プロジェクト最終年となる3年目を目前に控え、よりよいプロジェクト成果のためチーム一同日々尽力しています。

報告会では次にマイクロファイナンスコンサルタントのIo Guballaから、プロジェクトの主軸の一つである農業マイクロファイナンスのフィリピンでの現状と課題について、報告させていただきました。現在広く普及しているマイクロローンは、小規模事業を行っている(あるいは開始しようとしている)貧困層に対し、週毎等の頻繁な返済を義務付けるローンとなっています。一方、本プロジェクトが推進する農業マイクロファイナンスは、農業が持つ特性に注目してデザインされたローンとなっています。例えば、農家家計における支出入に着目すると、その季節性が他の産業と比べ強く見られます。特に農業以外の複数の収入源を持たず、専業として農業活動を行っている(特に作物の種類が少ない、あるいは1種類のみの)零細農民たちの間では、家計の収入のほとんどが収穫期に集中しており、もっとも支出の多くなる作付け期(例:種や肥料の購入)には、それらに費やす資金が不足する状況が見られます。週毎返済を義務付ける一般的なマイクロローンと、零細農民のキャッシュフローにギャップがあるそのような現状に対し、作付け期に融資を行い、返済額の多くの割合を収穫後に集中させる農業マイクロファイナンスが現在注目されています。

 

本報告会では、フィリピンでの農業マイクロファイナンスの現状を踏まえたうえで、プラネットファイナンスの農業マイクロファイナンス商品開発・導入のメソドロジーを紹介しました。詳しくは別添ファイルをご参照ください。

 


最後に、埼玉大学教授・JICA客員専門員・CGAP経営委員長辻一人様から本プロジェクトに対する講評をいただきました。

 

- SPMには ”do no harm” と “do good”という2つのステップがある。社会的目標と財務的目標は短期的にはトレードオフの関係にあるが、中長期的には顧客保護の観点では、SPMはMFIのリスクを緩和する。

- 多くのMFIがMix Marketに財務パフォーマンスとともに社会的パフォーマンスもレポートしているが、それはより多くの投資を呼び込ためである。

- 零細農民には、バリューチェーンに組み込まれている商業農家と、組み込まれていない非商業農家の2通りとがある。商業農家の中でも、市場との繋がり の強さによってバリューチェーンへ組み込まれている程度が異なる。例えば、農業・食品企業と契約を結んでいる農家は、供給先が確保されているという観点から、商業農家の中でもバリューチェーンとより強く繋がっていることが言えるが、そのような状況が必ずしも農家にとって適切とは限らない。

- 零細農民の家計の収入を改善することと、食の安全保障を向上させることは、マイクロファイナンスを通して同時実現が可能であるのか。もし単純に零細 農民たちの家計の所得を向上させることが一番の目的であるならば、農業を辞め国外労働者になる方が効率的となる場合もあり得るため、難しい問題である。

 

皆様ありがとうございました。重ねて御礼申し上げます。

次回は、参加者の方からの質問とその回答をご紹介させていただきます。

マイクロファイナンスベストプラクティスフォーラム2013

2013.09.15

916日、17日の2日間に、カウンターパートのミンダナオ・マイクロファイナンス・カウンシル(MMC)が企画し、『マイクロファイナンスベストプラクティスフォーラム2013』と題したフォーラムが開催されました。フィリピンには現在3つのマイクロファイナンスネットワーク組織があり、MMCはミンダナオをベースにしたそのうち1つの組織です。ネットワーク組織の役割は、マイクロファイナンスに関わる最新の動向や新しい技術等の情報共有やネットワーキングを通してMFIの能力強化を図ることを主としています。

本フォーラムは“Strengthening MFIs through Product Development and Institution Building”をテーマに掲げ、メンバーMFI、政府機関、MF投資機関等様々な立ち位置のステークホルダーから100名近くが参加し、積極的な意見交換や情報の共有が行われました。プラネットファイナンスからは、Io Martin Guballa氏が農業マイクロファイナンス商品開発の手法についてプレゼンテーションを行い、活発な質疑応答が行われました。 

 

農業マイクロファイナンス商品はそのリスクマネジメントの難しさから未だ多くのMFIが開発を躊躇している状況にありますが、その一方、国土の大部分が農業地帯であるフィリピンでは顧客からの大きな需要が確かに見込まれています。今回Guballa氏から共有された、より顧客のニーズに合った商品開発手法やリスク管理方法等の情報がそれぞれのMFIで活用されることが期待されます。

クレジット評価トレーニング

2013.06.20

5月21日から23日にかけて、パートナーMFIのMilamdec、BCS及び近隣MFIのCorporative Bank of Cotabatoのスタッフを迎え、ダバオにてクレジット評価トレーニングを実施しました。このトレーニングは主に、フィールドにて実際に顧客の生活に密着してローンや貯蓄の回収等を行っているローンオフィサーを対象にしています。担保を取らずに収入の不安定な低所得者層にローンを貸し付けるマイクロローンは、一人ひとりの顧客の生活状況、具体的にはキャッシュフローを把握することが高い返済率を維持するためカギとなります。そのため、実際に日々顧客と顔を合わせながら業務を行うローンオフィサーの能力強化は、今回参加したどのMFIでも必要とされていました。

SLE(街を作る)

SLE(街を作る)

トレーニングは3日間に渡り、クレジット評価についての概念の講義から始まり、リスク分析について、そしてCI/BI(Credit Investigation / Background Investigation)と呼ばれる新規顧客に対する具体的な信用調査方法とキャッシュフロー分析のやり方をコーチングする内容としました。

 

リスク分析のパートではSLE(Structured Learning Exercises)と呼ばれる手法を用いました。SLEは、ゲームやアクティビティ等を通して、参加者のより良い理解とその定着を目的としています。今回実施したSLEの一つはまず、グループ毎にトランプとスティックとテープを用いて自由な発想で「街」を作るように指示します。 時間内に「街」ができあがったところで、次はストローにマッチ棒を入れた「吹き矢」で隣のグループの街を破壊するように指示をします。参加者はせっかく作った街が直後に破壊されることになるとは知らなかったため、基礎がしっかりしていない建物は残らず壊れてしまいました。一方、しっかりした土台を作っていた建物は「吹き矢」の攻撃にも負けず生き残っています。例えば作った「街」を組織とし、「吹き矢」を災害等の外因的なリスクとすると、基礎や土台をしっかりと固めることの重要性が実感として理解できるようになります。

 
SLE(街を破壊する)

SLE(街を破壊する)

参加者からは、SLEを等して楽しくクレジット評価について理解ができた、また、他のMFIのスタッフと交流することで様々な意見交換をすることができたといった声をいただきました。

ロールプレイでキャッシュフロー分析を行う

ロールプレイでキャッシュフロー分析を行う

金融リテラシーモジュールパイロットテスト

2013.05.30

527日から28日にかけてBCS にて、また、610日から11日にかけてMilamdecにて、昨年末に実施したニーズ調査を元にプラネットファイナンスが開発・改良を行った金融リテラシーモジュールのパイロットテストを実施しました。

このモジュールは、アダルトラーニングの観点から、SLE(Structured Learning Exercise)の手法に基づき開発したものです。モジュールは一連のパッケージとなっており、まず“Why”つまり、なぜ貯蓄が必要なのか、なぜ多重債務はよくないのか等について理解した後“how”つまりどのようにして帳簿をつけるのか、どのようにして収入を増やすのかといった技術を伝える流れになっています。貧困層に向けた金融リテラシーにおいて、帳簿のつけかた等具体的な技術を直接伝えることも重要ですが、それ以前にまず、貧困者自らが貧困から抜け出ることは可能であるという強い信念の元に、なぜ(例えば)帳簿をつけることが重要なのかといったことを理解することが必要であると考えます。

今回のパイロットテストでは計6つのセッションをテストしましたが、ここではそのうちの1つ“Noodles for Life”を紹介します。

これは、年をとって仕事を退職し、収入がなくなった時点から寿命年齢までに必要となる、最低限の食事(この場合、ヌードルを想定)の費用の合計金額を見積もり、在職中に貯蓄をすることの必要性が理解できるように意図されたものです。

今回のパイロットテストでは、65歳から80歳までの15年間、配偶者と2人で暮らすために必要な金額を計算していきました。 以下の式をファシリテーターが参加者と都度確認しながら、計算を進めます。

BCSセンターミーティングの様子

・ヌードルの価格(40ペソ(92)× 2(人:配偶者含む) × 3(回:1日における食事回数) = 1日に必要な食費

1日に必要な食費× 365(:1年間の日数) = 1年に必要な食費

1年に必要な金額× 15(退職後の年数) = 退職後必要な食費の合計

フィリピンをご存知の方からすると、最低一食40ペソというのは高すぎるように聞こえるかもしれません。実は、ファシリテーター側は初め20ペソで始める予定でしたが、参加者した顧客から「自分たちが65歳になっているときには物価がもっと上がっているはずだ」という意見が出され、全員で話し合った結果、一食を40ペソと見積もりました。

最後に算出された退職後必要な食費の合計が100万ペソ(230万円)を越えた際には、参加者全員が想像もしていなかった大きな金額に驚きを隠せない様子でした。テスト後のアンケートでは、「初めて貯蓄に関して考える良い機会になった」等、95%以上の参加者から非常に満足との回答を得ることができました。

同行したMFIのスタッフからは、「退職など、今まで顧客が考えたことのないトピックであったので、参加者皆が興味を持って聞いていた。」、「ファシリテーションを間近に見ることで、自分たちが実施するためにもどのような工夫が必要か知る、非常に良い経験になった。」といった感想をいただきました。プラネットファイナンススタッフとMMCとの反省会では、「トレーニング後実施するアンケートを英語だけでなく現地語でも作成する」、「参加者がトレーニングで学んだ内容を復習できるよう、1頁の資料を配布してはどうか」など、次回に活かすべき気付きを共有しました。

金融リテラシートレーニングの様子①

今回のパイロットテストの結果を元にさらにプログラムの改善を行った後、完成したモジュールを使用して、パートナーMFIの職員に対して、金融リテラシートレーニング・オブ・トレーナーズ(ToT)を実施する予定です。ToTでは、来年8月のプロジェクト終了後もマイクロファイナンス機関のスタッフ自らが、顧客に対してセッションを行えるよう、ファシリテーション方法やモジュールの使用方法についてのトレーニングを実施する予定です。

プロジェクトマネージャー交代のお知らせ

2013.05.03

本プロジェクト立案段階からキックオフ、そしてマネージャーとしてプロジェクトの土台を築いてきた長友留奈が3月末でプラネットファイナンスを離れることとなり、開始時から副プロジェクトマネージャーとして長友と共に活動していた松浦わか子が4月よりプロジェクトマネージャー業務に従事することとなりました。プラネットファイナンス東南アジアオフィスのコンサルタント及びカウンターパートMMCスタッフと共に引き続き、残り1年4ヶ月となったプロジェクトを充実させていきます。

 

農業マイクロファイナンス商品開発ワークショップ

2013.03.18

2月18日から22日にダバオにて、Milamdec・BCS合同の農業マイクロファイナンス(AMF)商品開発ワークショップを実施しました。このワークショップは、昨年末に行ったマーケットリサーチで収集したデータを基にディスカッションを行い、その場で商品マニュアルの最初のドラフトを作成するため、マニュアル作成ワークショップ、あるいはライトショップ(Writeshop)とも呼ばれます。

Milamdecは既にAMFローンが存在しているため、既存の商品を見直し改定する作業を行い、BCSに関しては今回が初めてのAMF商品導入となるため、一から商品の開発を行いました。今回のワークショップで完成したマニュアルドラフトのコンテンツは下記のとおりです。

  1. 表紙
  2. 目次
  3. 商品概要
  4. 契約条件(タームズ&コンディションズ)
  5. プロセス
  6. リスクアセスメント&マネジメント
  7. ワークインストラクション(プロセス毎の具体的な行動指示書)
  8. 付録
  •     ローン申請用紙
  •     CIBIフォーム
  •     モニタリングレポート
  •     キャッシュフローフォーム
  •     通帳
  •     領収書 等

また、3月4日から8日にかけてMilamdecにて、引き続き11日から15日にかけてBCSにて、ローンアドミニストレーショントレーニングを実施しました。このトレーニングは、商品開発ワークショップを補完し、かつ実際にフィールドで商品を扱うことになるローンオフィサーに対して、新しい商品の知識や取扱スキルを提供することを目的としています。商品開発ワークショップで議論が不足していた箇所を補強し、また、新しい商品が十分に農民の需要に合っており、内部プロセスに問題がないかどうかを確認するストレステストを実施しました。ストレステストではPost-Mortem Analysisという手法を用い、「2013年9月(1ローンサイクル終了後)にPAR (Portfolio at risk:全貸付残高の中で返済期限を過ぎているもの)が40%です。その原因は何ですか?」という質問を投げかけ、その原因を分析するというアクティビティを行いました。

 

これまで1年半様々な活動を行い、その度にたくさんのスタッフに積極的に参加していただきましたが、今回の商品開発ワークショップとローンアドミニストレーショントレーニングでは新しい商品を創り出すということで、今まで以上に期待と興奮が混じった非常に活発な議論が行われ、大変有意義なワークショップとなりました。

今後の予定は、ミンダナオ地域のお米とトウモロコシの農期が4〜5月に始めることに合わせてパイロットテストを開始し、モニタリングを実施しながら1ローンサイクル終了毎に商品改定を行っていきます。パイロットテストは全部で3ローンサイクル実施し、最終的にはプロジェクト終了間際に商品が完成する予定です。

 

マイクロファイナンスセミナー「マイクロファイナンスを仕事にする」開催

2013.01.30

1月17日に「マイクロファイナンスを仕事にする」と題し、マイクロファイナンスセミナーを開催しました。セミナーの前半では、プラネットファイナンスジャパンの主な活動のひとつである、University Meets PlaNet Financeという大学生を対象としたプログラムの参加者でもある、インターンの荒井よりマイクロファイナンスについて基本的な概念の説明を行い、続いてプロジェクトマネージャーの長友より、ミンダナオプロジェクトの報告を行いました。さらに、会場にてカウンターパートのミンダナオ・マイクロファイナンス・カウンシル(MMC)とスカイプで接続し、若手スタッフの一人であるGianne ManzanoからMMCの活動内容とミンダナオプロジェクトについて報告をしていただきました。

後半は座談会となり、現在実際にマイクロファイナンスの分野で活動をしているプラネットファイナンスジャパンの職員、またMMCの若手スタッフとマイクロファイナンスについての様々なトピックについて自由に会話ができる時間としました。

将来マイクロファイナンス分野で働くことに興味のある学生や社会人の方からは、マイクロファイナンスを仕事にすることのモチベーションや意義についてなど、また、他の参加者の方からはプラネットファイナンスジャパンが取り組んでいる様々なマイクロファイナンスプロジェクトについてなど、活発な議論が交わされました。

また、今回のセミナーでは、参加者同士のネットワークを構築する機会ともなり、同じ興味を持つ参加者の方同士でこちらも積極的に意見交換を行われる姿が見られました。学生から社会人まで様々なバックグラウンドの方々にご出席をいただきましたが、マイクロファイナンスに関して多くの方に非常に高いご興味とご関心を持っていただいていることがわかり、今度もこのようなネットワーキングや自由な意見交換の場をご提供させていただきたいと考えています。

 

平日の夜にも関わらず、多くのご参加をいただき誠にありがとうございました。この場を借りて厚く御礼申し上げます。

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