HOME > JICAミンダナオ草の根技術協力 > プロジェクトについて②-1(金融リテラシートレーニング)
しばらく間が空いてしまいましたが、引き続きプロジェクトについての解説をいたします。前回の内容は、「零細農民のニーズに適したマイクロファイナンス商 品の設計・導入」という貸し手側の問題でしたが、今回は、借り手側、つまり貧困層に対する金融リテラシートレーニングの普及の問題です。ミンダナオの零細 農民には、金融リテラシー、つまり収入・支出、貯蓄、借入といった要素の基本的な考えを正しく把握し、非常時に備えて貯蓄をおこなったり、将来に向けて投 資をするといったように、財産を賢く運用できるようになるためのトレーニングが必要とされています。
たとえば、一般的に貧困層は小額の資金をやり繰りし日々の支出を賄うことは非常に得意だとされていますが、緊急時や冠婚葬祭、学費の支払等、まとまった額 の出費に備えることが苦手とされています。これは、季節性を考慮して収穫後にまとまった額を返済をしなければならない農業マイクロファイナンスにとっては 大きなリスクであるといえます。
そこで、本プロジェクトでは金融リテラシートレーニングを通して収入や支出の管理の仕方、帳簿のつけ方、預金や保険サービスを賢く利用する方法を教え、零 細農民の家計や事業資金の管理能力の向上を目指します。零細農民がより賢く資金運用ができるようになることによって、所得や資産の増加はもちろんですが、 農業マイクロファイナンスに伴うリスクを削減することがねらいです。
次回は、金融リテラシートレーニング普及の具体的な活動について解説いたします。
(アシスタントプロジェクトマネージャー 松浦)