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5月21日から23日にかけて、パートナーMFIのMilamdec、BCS及び近隣MFIのCorporative Bank of Cotabatoのスタッフを迎え、ダバオにてクレジット評価トレーニングを実施しました。このトレーニングは主に、フィールドにて実際に顧客の生活に密着してローンや貯蓄の回収等を行っているローンオフィサーを対象にしています。担保を取らずに収入の不安定な低所得者層にローンを貸し付けるマイクロローンは、一人ひとりの顧客の生活状況、具体的にはキャッシュフローを把握することが高い返済率を維持するためカギとなります。そのため、実際に日々顧客と顔を合わせながら業務を行うローンオフィサーの能力強化は、今回参加したどのMFIでも必要とされていました。
SLE(街を作る)
トレーニングは3日間に渡り、クレジット評価についての概念の講義から始まり、リスク分析について、そしてCI/BI(Credit Investigation / Background Investigation)と呼ばれる新規顧客に対する具体的な信用調査方法とキャッシュフロー分析のやり方をコーチングする内容としました。
リスク分析のパートではSLE(Structured Learning Exercises)と呼ばれる手法を用いました。SLEは、ゲームやアクティビティ等を通して、参加者のより良い理解とその定着を目的としています。今回実施したSLEの一つはまず、グループ毎にトランプとスティックとテープを用いて自由な発想で「街」を作るように指示します。 時間内に「街」ができあがったところで、次はストローにマッチ棒を入れた「吹き矢」で隣のグループの街を破壊するように指示をします。参加者はせっかく作った街が直後に破壊されることになるとは知らなかったため、基礎がしっかりしていない建物は残らず壊れてしまいました。一方、しっかりした土台を作っていた建物は「吹き矢」の攻撃にも負けず生き残っています。例えば作った「街」を組織とし、「吹き矢」を災害等の外因的なリスクとすると、基礎や土台をしっかりと固めることの重要性が実感として理解できるようになります。
SLE(街を破壊する)
参加者からは、SLEを等して楽しくクレジット評価について理解ができた、また、他のMFIのスタッフと交流することで様々な意見交換をすることができたといった声をいただきました。
ロールプレイでキャッシュフロー分析を行う