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ミンダナオにおける零細農民の金融アクセス改善プロジェクト第3回活動報告会 質疑応答編

2013.09.24

前回に引き続き、ミンダナオにおける零細農民の金融アクセス改善プロジェクト第3回活動報告会のご報告をさせていただきます。今回は報告会参加者の皆さんからの質問とそれらに対する辻一人様、松浦、Guballa からの回答をご紹介いたします。

 

Q1: なぜ融資の4割を借入開始後から毎月返済し、残りの6割を収穫期に返済するという方法を導入しているのか。

A1: 第一に、借りる側の農家にとって、とても返済の行いやすい仕組みである。なぜならば、家計の収入を年間を通して安定化することが困難な零細農家にとって、この手法は最も収入のある収穫期に対部分の融資の返済を行うことを可能にしているからである。一方で、貸す側であるマイクロファイナンス機関(MFI)にとっても、借り手である農家にとってより返済のしやすい方法を提供することで、返済不履行を回避するリスクマネージメントを行うことが可能となっている。

 

Q2: 零細農民へ農業マイクロファイナンスとして融資を行う際、ローンそのものに対する保険と農作物保険を義務づけているということだが、それらの違いは。

A2: ローンに対する保険は、借り手である零細農家が何らかの理由によりローンを返済できなくなった場合に対する保険である。農作物保険は、農家が耕作している作物そのものを保証するものであり、害虫被害や干ばつなど、不作により収入が想定以下だった場合に備える保険である。

Q3: バングラデシュのグラミン銀行が行っているような、融資資格にジェンダーの必要用件は含まれているのか。

A3: 本プロジェクトにとって最も需要な要素の一つは、借り手が零細農家であるか否かという点であるため、特定の性別に特化するようなアプローチはとっていない。同時に、フィリピンでは一般的に社会における性差別は少なく、農村家庭内においても母親が一家の家計を管理することが通常である。

 

Q4: 農業マイクロファイナンスの商品デザインを行う際、誰がそれを行っているのか。

A4: 各MFIのオペレーションマネージャーや農業専門家が中心となり、各地域において将来の借り手とある農民たちへのヒアリング等のスタディを通し、その地域の顧客にあった商品デザインを行う。機関の最高管理責任者が参加することもある。ただ、借り手である現地農民が実際に商品デザインに参加すること今回はしていない。

 

Q5: (プラネットファイナンスの実施済みプロジェクトにて)フィリピンでの農業マイクロファイナンスで低い延滞債権率 (Portfolio of At Risk, PAR) を達成しているが、その要因とは。

A5: 世界基準においてPAR 5%以下が非常に良い状況とされている中、PAR 2%を達成できた理由の一つに、借り手である農民の特性を非常に考慮した商品開発がなされていることが挙げられる。前質問でもあったように、将来の借り手へのヒアリング等の事前のスタディ、リスク分析を通した商品デザイン、融資後の借り手との頻繁なコミュニケーションなど、借り手の現状を把握しそれに対応した商品、サービスを提供することが低い延滞債権率の要因となっている。

 

Q6: グループに対する貸し付けは行われているのか。

A6: フィリピンでは、 グループに対して貸し付けを行うことはとても稀である。世界的に見ても、グループに対する貸し付けは、集団監視の効力がある一方で、グループメンバーにとって余分な負荷となることがより大きなマイナス面となっている現実から、徐々に主流から外れてきている。しかし、本プロジェクトが行う農業マイクロファイナンスでは、個人への貸し付けを行う一方で、返済はセンターミーティングと呼ばれる、コミュニティ内の借り手が毎週集まる集会の場で、他の参加者の前にて行われている。このアプローチは、各貸し手が融資を受け返済することをコミュニティ内で公にすることを通し、グループへの貸し付けに類似した集団監視の効力を発揮している。

 

Q7: 本プロジェクトにおける「金融アクセス」の定義とは。またプロジェクトの成果を計る指標は。

A7: 金融へのアクセスがあるということは、人々が貯蓄や融資などの金融サービスへアクセスがある、そしてそのサービスはフォーマルなセクターで行われている、ということを意味する。金融アクセスの改善というプロジェクト成果の指標として、Progress out of Poverty Index (PPI) という顧客が貧困から抜け出る過程をトラックすることができる、グラミン・ファンデーションによって開発された指標を用いている。本プロジェクトでは、PPIが5%改善することを指標としている。

また、一般的には登録された銀行や協同組合にて銀行口座を持っているかどうかも、金融アクセスを計る適切な指標となる(現在、世界の成人人口のおよそ55%が、銀行口座を所有している。)。そして、その銀行口座をアクティブに使用している人々の割合はどれほどか、に注目することも真の金融アクセスを計るためには重要である。

プロジェクト
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