HOME > JICAミンダナオ草の根技術協力 > AMF商品改良ワークショップ(2回目)
昨年秋より実施していた2回目の農業マイクロファイナンス(AMF)商品パイロットテストの終了を受けて、3月19〜21日の3日間でMilamdecとBCSの2つのマイクロファイナンス機関(MFI)を対象にAMF商品改良ワークショップを行いました。(CBCは現在1回目のパイロットテスト中。)ワークショップは各MFIからのパイロットテスト結果の報告から始まり、カウンターパートMMCによるモニタリング報告、そしてプラネットファイナンスのコンサルタントによるフィードバックをもとにオペレーションプランニングを行い、最後にマニュアルの最終的な改良を行うというプロセスで進みました。
本ワークショップを開催した3月19日時点で、Milamdec、BCSの両機関ともプロジェクト目標であるアウトリーチ(AMF商品を利用する零細農民の数)拡大の達成状況はいまだ40〜60%程度でした。ワークショップでは、残りのプロジェクト期間で確実にターゲットを達成できるよう、徹底した課題の洗い出しを行いました。具体的にMFI側から発言された“課題”としては、異常気象により田植えの時期が遅れていること(AMFローンは農業サイクルに合わせて支払い、回収を行うため、田植えの時期が遅れるとローンの支払い時期も遅れる)、MFIが本パイロットテストのための財源を確保することに資金繰りの面で失敗したこと、ローンの審査に必要な農業技術者の新規採用が遅れたこと等が挙げられました。
上記の“課題“はMFIのマネジメントの問題と言い換えることもでき、課題解決のためには前提としてトップマネジメントからのより強いコミットメントが求められます。より強いコミットメントを確認するために、次回のパイロットテスト計画書(ワークプラン)完成後、MFIのCEO、エリアマネージャーとプラネットファイナンスのプロジェクトマネージャー間で計画書への署名式を行いました。一方、プロジェクトサイドからの課題としては、やはりミンダナオ地域への渡航制限のため、プラネットファイナンスコンサルタントによる現地でのモニタリング活動が一切できていないことです。ここでいうモニタリングとは、経過を観察するだけでなく、課題を発見したのち解決のためその場でコンサルテーションを行うことを意味します。現在唯一現場でのモニタリングを行っているMMCに対する技術指導を強化し、また緊密なコミュニケーションをとることにより遠隔でのモニタリングを成功させる必要があります。
その一方で、今回のワークショップで確認できた良い点は、1日以内の延滞債権率(PAR1)がMilamdecでは1.7%、BCSでは3.7%と極めて低く、AMF商品は零細農民の需要にしっかりと答えられているということでした。参加したMFIからも「商品自体は非常に良いものができた。あとはオペレーションにいかにうまく組み込むかだ」という意見が聞かれました。3回目のパイロットテストでは確実にプロジェクト目標を達成できるよう、モニタリング体制を強化していきます。