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プロジェクト終了のご報告

2014.10.28

すっかりご報告が遅れてしまいましたが、2011年9月に開始した本プロジェクトも、数々の試練を乗り越え、2014年8月に無事終了となりました。この場を借りて関係者の皆様に厚く御礼申し上げます。また、報告会にご参加いただいた皆様、ブログを読んでくださった皆様にも心から感謝いたします。

プロジェクトのクロージングは、7月にフィリピン・セブにて、その翌週の8月にパートナーマイクロファイナンス機関のCEOとコンサルタントを招待して東京にて、計2回のイベントにて締めくくられました。7月29〜31日に開催したセブでのクロージングコンファレンスでは、3年間のプロジェクトを振り返り、農業マイクロファイナンス、金融リテラシー研修、社会的パフォーマンス経営のそれぞれのコンポーネント毎に、課題や困難であったこと、そしてその問題解決のための対応策について、パートナーマイクロファイナンス機関の参加者全員で共有する時間としました。

プロジェクト目標の多くは無事に達成でき、農業マイクロファイナンス商品開発については、合計600名以上の零細農民に新しい商品が届けることができ、総計で700万円以上の預金を増加させることができました。また、嬉しい結果として、1日の延滞債権率がMilamdecでは4.02%、BCSでは0.99%と、財務的に健全であるといえる30日の延滞債権率の国際基準の5%を大きく下回る結果を得ることができました。本プロジェクトが開発した商品が、零細農民の需要に合った使いやすいものであったと同時に、MFI側からみても高返済率を確保できる安心な商品であったことを嬉しく思います。

金融リテラシー研修に関しては合計で188名のMFI職員が金融リテラシー研修を実施できるようになり、1,877名の零細農民に対して研修が行われました。そのほとんどの受講者が、研修の結果に満足し、金融リテラシーが向上したと感じると答えてくれました。

クロージングコンファレンスには、金融リテラシー研修を受け、かつ農業マイクロファイナンス商品を利用している顧客を招待し、彼らの経験を共有していただく時間を持ちました。フィリピンらしい笑いに溢れた賑やかな雰囲気の中、金融リテラシー研修を受けた後どういったことが変わったか、農業マイクロファイナス商品をどのように利用しているかといった色とりどりの話を聞かせていただきました。中でも印象的だったのは、BCSの顧客の一人、Ryan Joseさんが次のようなコメントを寄せてくださったことです。「(農業マイクロファイナンス商品が開発される)以前は、必要な肥料を買うのにトレーダーからお金を借りていました。ですがトレーダーから借りる融資は利子がとても高く、借りたお金を倍にして返さなければいけませんでした。結局トレーダーにお金を返すために他の貸金業者からお金を借りなければならず、生活はとても大変でした。しかし今は、BCSが担保を持たなくても低い利子で肥料を買うお金を貸してくれるようになったため、トレーダーの良いようにお米が買い叩かれることもなくなり、ようやく今、『収穫したお米は自分のものだ』と感じることができるようになりました。(“Now I own the crops I harvested”)」彼ら農民の日々の大変な暮らしに、少しでもよい効果をもたらすことができたことは幸いです。

コンファレンスの最後は全員で、このプロジェクトを踏まえた次のステップを話し合い、全てのパートナーMFIが、農業マイクロファイナンス商品、金融リテラシー研修、社会的パフォーマンス経営の全てのコンポーネントを継続して実施していくことを表明しました。

セブでのコンファレンスの後、時間を置かずにMilamdecとCBCそれぞれの代表のSevillanoさんとCarismaさん、そしてプラネットファイナンスの国際コンサルタントであるHinaさんと共に東京に行き、8月3日に青山のこどもの城にてプロジェクトの最終報告会を開催しました。プロジェクトの報告に加え、Hinaさんによるプラネットファイナンスの金融リテラシーアプローチを紹介するワークショップ、MFI代表の2人を交えたパネルディスカッションと、盛りだくさんの内容となりました。酷暑の中、開発コンサルタントやNGO職員、銀行員や学生さんなど多くの方にご参加いただきました。また、埼玉大学教授・CGAP経営委員の辻一人先生に報告会のご講評をいただきました。

3年間のプロジェクトを通して、達成できたことと同時に多くの教訓を得ることとなりました。本ブログの中や定期的に開催した報告会の中でもご共有させていただきましたが、マイクロファイナンスは貧困削減のツールとしてまだまだ理想の形には程遠く、今後も継続的かつ真摯な改善・改良の努力が必要とされます。プラネットファイナンスジャパンは、本プロジェクトで得られた教訓を活かし、今後も日本発のマイクロファイナンスを用いた開発支援を行っていきます。このブログが少しでも皆様がマイクロファイナンスにご興味を持たれるきっかけとなっていれば幸いです。

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