HOME > 東北復興支援 > 【支援先事業紹介】気仙沼から手編みの楽しさを発信〜「梅村マルティナ気仙沼FSアトリエ」
「三陸復興トモダチ基金」の新規創業助成により支援させて頂いた先のひとつ、「梅村マルティナ気仙沼FSアトリエ」をご紹介します。
「梅村マルティナ気仙沼FSアトリエ」はドイツのOpal毛糸というカラフルな毛糸を使った帽子や手袋などを製造販売しています。昨年5月にオープンした気仙沼駅前のショップの他ネットショップでも購入する事ができます。商品はすべて地元の女性達の手作業で造られており、美しい色合いとデザインで機能性にも優れた商品は幅広い世代に人気です。特に、リバーシブルのニット帽子としてネックウォーマーとしても使える“腹巻帽子”オリジナルの看板商品です。(弊法人のスタッフも愛用しています。)
今回はこの事業が始められたきっかけから、現在に至るまで、梅村マルティナさんに伺ったお話をもとに、ご紹介させて頂きます。
2011年の大震災の直後、京都に住んでいたマルティナさんはドイツのOpal毛糸と編み針のセットに編み方説明書をつけて被災地の数カ所の避難所に送りました。マルティナさんは、編み物が得意で京都で編み物教室を開き、ニット製品や毛糸を手造り市等で販売していたことがこの行動に繋がったそうです。「被災した人たちのために自分なりに何かできないか」と考えた時に思い浮かんだのが、編み物セットを送ることでした。指を動かして無心に編物をすることが、何より心を平穏にしてくれるのではないかと考えたのです。
マルティナさん
周囲には「いまの避難所には水や食料品、生活用品が必要なはず」と反対する人もいましたが、マルティナさんの元に、気仙沼市のある避難場所から「もっと毛糸を送ってほしい」という申し出が帰ってきました。返事をくれたのは、気仙沼市の唐桑町小原木の中学校に避難していた女性たちでした。マルティナさんは彼女たちに会って一緒に編み物をしようと思い、小原木の避難所を震災後から3カ月後に訪問しました。当初は、毛糸を編んでもらって心を平穏にしてもらおうと考えていました。しかし、この3人の女性たちが仕事を失い働く場所がないという大きな問題を抱えていることがわかると、ニット製品を製造・販売する会社を気仙沼に作ることを決心し、2012年3月に会社を設立したのです。
まずは、避難所で知り合った3人の女性を雇用し、ドイツから仕入れた毛糸の商品の販売を始めました。商品の知名度を上げるため地元の企業の協力を得てネットショップでも販売を開始しました。やがて、マルティナさんの活動がテレビや雑誌で紹介されるようになり、彼女の商品に多くの人々が関心を示すようになりました。カラフルな模様の帽子やマフラーは人気を呼び、多くの注文が入り、事業は継続的に利益が出るまで成長しました。3人いた従業員は、現在は8人にまで増え、30〜40代の女性が働いています。さらに現在、もう1人の雇用を計画しています。マルティナさんは、事業を通じて、気仙沼から全国の人々に「編み物の楽しさを伝え、編むことの楽しさを共有したい。」と強く願っています。
お店の様子
ドイツのOpal毛糸を使って、気仙沼で手造りされた素敵な商品をぜひご覧下さい。
手造りされた商品
色とりどりな毛糸