東北復興支援

J.P.モルガン協賛「東北スモールビジネス振興プログラム」第一回ビジネスセミナー開催

2016.12.21

 J.P.モルガン協賛による「東北スモールビジネス振興プログラム」は気仙沼を中心とした東北沿岸地域での小規模事業者、起業家を支援するプログラムとして本年5月より運営されています。 

11月22日に気仙沼市で、第1回のビジネスセミナーが開催されました。 

セミナーは気仙沼信用金庫との協働で開催、NPO法人 ジャングルの代表理事 二条彪氏による講演 「創業経営 成功する人 失敗する人」が行われ、創業間もない企業経営者の心構えや考え方について講話がありました。 地元の創業から5年以内の企業経営者約40名(28社)が参加して熱心に約2時間の講演に聞き入っていました。

二条さんの講演は自らの経営失敗経験などを踏まえて「失敗から学ぶ事、アイディアと想像力、そして勇気を持って経営する事」などの話があり、参加者からは「創業時の課題や問題への対応など大変ためになった」、「講演者の失敗談から始まり話の内容に引き込まれた」「2時間の講演があっという間で、大変興味深く聞くことができた」などのコメントがあり大変好評でした。

当日11月22日は早朝に福島県沖震源の震度5の地震があり、宮城県の沿岸一帯にも津波警報、避難指示が出され、一時はセミナー開催も危ぶまれた状況でした。 幸い正午ごろには警報、避難指示が解除され、予定どおりセミナーが開催されました。

今後、本プログラムは具体的な個別の経営課題に対する専門家による支援・サポートの段階に入って行く予定です。

「メットライフ財団復興事業みらい基金」による助成支援、さらなる前進

2016.12.02

 「メットライフ財団復興事業みらい基金」

本基金の主たる目的は、2011年3月の東日本大震災による津波・原発事故の甚大な被害を受けた福島県南相馬地区をはじめとする被災地の経済復興と地域社会の再建に寄与することです。

「助成金贈呈式」

2016年6月に行われた第一回の助成金贈呈式では、新規サービスや雇用機会を創出し地域経済の復興を目指す起業家や中小企業の事業主など、11件の助成先を発表ました。

10月12日に福島県南相馬市のあぶくま信用金庫にて助成金贈呈式が行われ、合計11件の起業家・事業主(新規助成5件、事業展開支援1件、ローン利子補給5件)が助成先として発表しました。

「新現役復興支援交流会」

 2016年8月には、本基金による取り組みとしては初めて、被災地における事業支援を目的とした官民共同ワークショップ「新現役復興支援交流会」(以下、本交流会)が、復興庁、経済産業省関東経済産業局、信用中央金庫等との協働のもと、東京で開催されました。本交流会には福島の中小企業5社を対象に、東京に拠点を置くビジネス専門家や企業経営幹部OBより個別面談を通じたコンサルテーションを実施しました。あぶくま信用金庫 理事長の太田福裕氏は、「このイベントは、新現役交流会として東北の経済復興に焦点を当てた初の取り組みでした。私たちは、さまざまなリソースや専門知識、蓄積されたノウハウを業界横断的に活用することで、復興支援において新たな一歩を進められたことを誇りに思います」と話しています。

10月12日の「メットライフ財団復興事業みらい基金」第二回助成金贈呈式

「メットライフ財団復興事業みらい基金」の創立 2016年3月11日

2016.04.25

福島県の経済復興、雇用回復および地域社会の再建を支援する目的として、「メットライフ生命」および「メットライフ財団」を通じて「メットライフ財団復興事業みらい基金」が創設され、あぶくま信用金庫との協働で運営されることになりました。

「メットライフ財団復興事業みらい基金」は2016年から2017年末までの期間にメットライフ財団による拠出金をもとに運営され、福島県で意欲的に事業展開に取り組む事業主への助成を通じて地域の復興を支援します。

2016年3月11日に基金の設立記念式典が南相馬市で開催され、メットライフ生命、あぶくま信用金庫、プラネットファイナンスジャパンの代表者出席による挨拶、プレスリリースが行われました。

【支援先事業紹介】気仙沼から手編みの楽しさを発信~「梅村マルティナ気仙沼FSアトリエ」

2015.01.30

「三陸復興トモダチ基金」の新規創業助成により支援させて頂いた先のひとつ、「梅村マルティナ気仙沼FSアトリエ」をご紹介します。

「梅村マルティナ気仙沼FSアトリエ」はドイツのOpal毛糸というカラフルな毛糸を使った帽子や手袋などを製造販売しています。昨年5月にオープンした気仙沼駅前のショップの他ネットショップでも購入する事ができます。商品はすべて地元の女性達の手作業で造られており、美しい色合いとデザインで機能性にも優れた商品は幅広い世代に人気です。特に、リバーシブルのニット帽子としてネックウォーマーとしても使える“腹巻帽子”オリジナルの看板商品です。(弊法人のスタッフも愛用しています。)

今回はこの事業が始められたきっかけから、現在に至るまで、梅村マルティナさんに伺ったお話をもとに、ご紹介させて頂きます。

2011年の大震災の直後、京都に住んでいたマルティナさんはドイツのOpal毛糸と編み針のセットに編み方説明書をつけて被災地の数カ所の避難所に送りました。マルティナさんは、編み物が得意で京都で編み物教室を開き、ニット製品や毛糸を手造り市等で販売していたことがこの行動に繋がったそうです。「被災した人たちのために自分なりに何かできないか」と考えた時に思い浮かんだのが、編み物セットを送ることでした。指を動かして無心に編物をすることが、何より心を平穏にしてくれるのではないかと考えたのです。

マルティナさん

周囲には「いまの避難所には水や食料品、生活用品が必要なはず」と反対する人もいましたが、マルティナさんの元に、気仙沼市のある避難場所から「もっと毛糸を送ってほしい」という申し出が帰ってきました。返事をくれたのは、気仙沼市の唐桑町小原木の中学校に避難していた女性たちでした。マルティナさんは彼女たちに会って一緒に編み物をしようと思い、小原木の避難所を震災後から3カ月後に訪問しました。当初は、毛糸を編んでもらって心を平穏にしてもらおうと考えていました。しかし、この3人の女性たちが仕事を失い働く場所がないという大きな問題を抱えていることがわかると、ニット製品を製造・販売する会社を気仙沼に作ることを決心し、2012年3月に会社を設立したのです。

まずは、避難所で知り合った3人の女性を雇用し、ドイツから仕入れた毛糸の商品の販売を始めました。商品の知名度を上げるため地元の企業の協力を得てネットショップでも販売を開始しました。やがて、マルティナさんの活動がテレビや雑誌で紹介されるようになり、彼女の商品に多くの人々が関心を示すようになりました。カラフルな模様の帽子やマフラーは人気を呼び、多くの注文が入り、事業は継続的に利益が出るまで成長しました。3人いた従業員は、現在は8人にまで増え、30~40代の女性が働いています。さらに現在、もう1人の雇用を計画しています。マルティナさんは、事業を通じて、気仙沼から全国の人々に「編み物の楽しさを伝え、編むことの楽しさを共有したい。」と強く願っています。

お店の様子

三陸復興トモダチ基金 第12期交付先の決定について

2015.01.05

第12期の被災地域再生・新規事業創出助成金の支援先を決定し、昨年11月25日に気仙沼信用金庫にて助成式を開催しました。今回は気仙沼市より5先、陸前高田市より1先の計6先の新規事業を支援します。今回選出された助成先はこれまでと同じく地域の課題に取り組む事業に挑んでいます。陸前高田のりんごのブランド化と農家の後継者の育成に取り組む事業、小規模生産者の商品をブランド化し販路拡大を図る事業、林業者の育成を通じて森林再生に挑む事業など高い問題意識をもった方々が新しい事業を実施します。

今期の事業者を含めて「三陸復興トモダチ基金」から支援させて頂いた新規事業は76社になりました。震災から間もなく4年が経とうとする中、支援先の事業者の方々は日々課題に直面しながらも、自ら掲げた目標に向かって邁進しておられます。また、各々の事業を通して地域のニーズに応え、地域の活性化に貢献されています。事業者の方々がどの様な活動をされているか、本ブログ上でもご紹介していきます。

創業から現在まで(NPO法人ピースジャム)

2014.10.20

三陸トモダチ基金の第1期の支援先であるNPO法人ピースジャムさんの創業から現在までを紹介します。

代表の佐藤賢さんは震災直後の物資が不足するなか「赤ちゃんのお腹をすかせない」を合い言葉に紙おむつや粉ミルクを配布するなど子育て中の母親たちの支援を開始。やがて佐藤さんの活動は多くの賛同を得て継続的な母親の支援団体「ピースジャム」の誕生につながります。

こうした佐藤さんの取り組みは、震災後幼い子どもを連れて集まる場所が少なくなり、また育児中のためなかなか仕事に就くことができない母親たちに子育てと働く場所をつくる活動へと発展します。2011年10月に子どもを見ながら仕事ができるジ ャム工房をスタートさせました。

当初は公民館を間借りして週に1・2回ジャムを生産していましたが、安定生産ができず大口の取引に結び付かないことが多々ありました。 そこで、各方面からの支援を募り今年8月気仙沼市内に工房を新築させました。新 しい工房では元気に遊ぶ子どもたちを見ながら働く母親たちの姿があります。

子どもは母親たちに見守られながら工房内を元気に走り回ります

ピースジャムはジャム製造の他に縫製事業も手がけ始め、二重立体格子の生地で編むことで肌にやさしいモスリンを商品化しました。現在は自社製造のジャムとこのモスリンの商品ブラッシュアップに取り組んでいます。佐藤さんは「被災地の商品だからと売れる時期は過ぎた思う。本当にいい商品を作っていきたい」と話しています。現在は11人が工房で働いており、将来は20人の雇用を創り出すべく事業の発展を目指しています。

ロンドンでデザインされ東北でつくられたベビーモスリン

三陸復興トモダチ基金 第11期交付先の決定について

2014.09.30

第11期の被災地域再生・新規事業創出助成金の支援先を決定しました。今回は気仙沼市より3先、大船渡市と陸前高田市より各1先の計5先の事業者を支援することになりました。今回選出された皆さんは当地域の復興に向けて強い意欲と情熱を持った方々です。本基金も引き続き地域の復興に向け頑張られる方の一助となよう活動してまいります。

7月の贈呈式においては、皆さん自社の事業の近況、事業に対する強い意気込みや当地域への熱い想いを語られました。さらに、参加者同士での情報交換もされ交流を深めると同時に事業に対する想いもより一層深める場となりました。

現在12期の選考を実施しています。選考結果はこのプログにてお知らせします。

三陸復興トモダチ基金 第8・9・10期交付先の決定について

2014.06.18

昨年末から本年の5月にかけて被災地域再生・新規事業創出助成金の第8期から第10期の募集と審査をおこない、計16名を支援先に決定しました。各期の内訳は、第8期を6名、第9期と第10期は各4名と6名を採択先に決定しました。

支援先には、地元の杉材を使い木工キットの商品化に取り組む若手起業家、地元の特産品をインターネットを使って販路開拓の支援をするIT企業、古着物を再利用しブックカバーを作っている女性起業家など、地元のニーズを的確に捉え魅力的な商品を提供する事業を立ち上げた方がいます。

現在は第11期の募集と審査をおこなっており、近々新たな助成先を決定する予定です。

三陸復興トモダチ基金 第5回事業者支援セミナー(6月6日開催)

2014.06.17

昨年より定期的に実施しています事業者支援セミナー・交流会の第5回を気仙沼市内にて開催しまし た。ゲストスピーカーに、日本政府観光局(JNTO)の松山良一理事長を招き、観光をテーマに講演をお願いしました。

JNTOはインバウンド・ツーリズム(外国人の訪日旅行)のプロモーションやマーケティングに取り組む政府機関です。観光振興に稀有な知見を有する松山理事長の話は、三陸の復興に観光が果たす可能性について非常に示唆に富むものでした。地方の限界集落を具体例に挙げ、一見すると何もない地域が一工夫することによって多数の外国人が訪れるようになった事例を紹介し、気仙沼市も地元の観光資源を磨き上げることで、潜在的な外国人観光客を呼び込む可能性があることを指摘されました。参加者された方々は松山理事長の話に熱心に耳を傾けていました。

講演終了後、参加さらた方々はチームに分かれて観光をテーマにしたワークショップをおこないまし た。地元の観光資源を発掘しどのようにPRするか活発に議論し、最後にチームごとに発表してもらいました。参加者の皆さんにとって地元を魅力を見直す良い機会になったようです。

三陸復興トモダチ基金 活動報告書

2014.03.31

2011年11月より運営を続けております、三陸復興トモダチ基金の活動報告書を日本語及び英語にて取りまとめました。

開始から昨年12月までの約2年間の支援について、定性、定量の両面から分析、考察を行いました。是非ご一読下さい。